ゴジマエ~後日読み返してもらいたいささやかなまえがき~

1971年生まれ。京都府出身・在住。コピーライター・プランナー。約15年間、大阪の広告制作会社勤務ののち2012年7月からフリーランスに。キャッチコピー一発から広告全体のプランニング・進行管理、企業の販促企画(企画書作成)まで、会社案内や学校案内・フリーペーパーなどの取材からライティングまで、幅広くやってます。 お仕事の依頼などはfuwa1q71@gmail.comまで。 

ENJOY KYOTO Issue6:京都音楽特集号について

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この夏はほんとうにすごい夏でした。なんといってもくるりのメンバーにお会いしたのが6月22日の誓願寺。そこからつじあやのさん、松尾優さん、小松正史さん、たゆたう、mocaさんと、さまざまなミュージシャンの方々にインタビューをしました。終わってみての感想としては、正直言ってすんごい疲れました。理由は、今回いままでとは全く違うつくりかたにチャレンジしたということが大きかったと思います。
雑誌や編集系の仕事ははまだしも、とりわけ広告の世界だと、事前の準備とすり合わせをかなり綿密にやって、もうほとんど隙がないくらいにビシッとうめてですね、それで現場はほとんどそのイメージの再現だけみたいな状態にして向かうことが多いんです。そこまでやっても不測の事態というのは起きるときには起きるのですが、そういう場合でもそれまでの綿密な準備があったからなんとか対応できるみたいなところがけっこうあるんです。

それが今回は、みなさん東京に拠点があったり、ツアーの真っ最中だったり、新しいアルバムの準備期間だったりということもあり、事前の顔合わせや打ち合わせはもちろん、気軽に何度もやりとりをするということがそうそうできるわけじゃないところからのスタートでした。とりわけ、くるりの場合は共通の知人を介してブッキングをお願いしていたこともあり、直接メンバーの皆さんやマネージャーさんとぼくが事前にお話しできていたわけではなかったのです。ですからその人づてに事前に「前向きな感じで出ていただけるようですよ」というお話を伺ってはいたものの、どこかで「ほんとにだいじょうぶなのかな?」とかね、まあなんといってもこちとら無名のフリーペーパーですしね。やっぱりそういう緊張感はぼくのなかにはずっとあったんです。

くわしくはまた書きたいと思うのですが、たとえば巻頭見開きでドーンと撮ろうとしていたメインカットも、現実として撮影の場所やシチュエーション自体のコンセンサスが取れてないとか、そういう不安定要素がけっこうあった。なのでそこすらも、実際当日になって蓋を開けるまではなにがどうなるかはわからない、という想定で臨んでいました。ライブ直線の楽屋でまだアレンジうんうん考えてて、舞台出てから皆さんに伝えてるみたいな。「できないよ!」って言われたらどーすんだ、みたいなね。ほんとにここまで自分で作り上げてみるまでうまくいくかわかんない、インプロビゼーションに近い形でつくったENJOY KYOTOというのは、たぶんはじめてなんじゃないかな。あ、Issue2で書家の川尾朋子さんにアドリブで「今年を表す漢字を一文字で」とか相当なムリを言って書いていただいて以来かな。ともあれ、かつてぼくが若かりし頃に自主映画をつくってたときの現場の緊張感を思い出しました。

結果的にはうまくいったし、こういうやりかたで作ってみて良かったなあと今は思います。たくさんのアーティストの方々に刺激されて、自分も元アートを志向していたときの感覚がよみがえってくる感じでした。だから、個人的には現場はすごく楽しかったですね。すんごい緊張感でもあるんだけどね。勝負してるというか、勝負を楽しんでる感じがありました。ああ、こういう作り方もできるんだなあと、またひとつ引き出しが増えた夏でした。

とまあ、そういう風に作られた今回のENJOY KYOTOのIssue6音楽特集号はいよいよ本日リリースです。もうひとりのライタ-が担当した10FEETやYeYe、それからMUSEの行貞さんとMetroの林さん、10FEETのTakumaさんの3人による鼎談もお楽しみに!



【ENJOY KYOTOおもな設置先】
京都市内ホテル(アーバンホテル京都、ホテルグランヴィア京都ハイアットリージェンシー京都、グランドプリンセスホテル京都、ウェスティン都ホテル京都、京都ホテルオークラ、ホテル日航プリンセス、京都ブライトンホテル、ホテルカンラ京都、ホテルアンテルーム京都、イビススタイルズ京都ステーション、京都糸屋ホテル)、旅館、ゲストハウス、飲食店、社寺仏閣、ヤサカタクシー、新風館京都国際マンガミュージアム、嵐山駅 はんなり・ほっこりスクエアなど。その他、東京都、関西空港滋賀県ホテル・旅館数カ所などにも。