2014年の最後に
9月以降はほんとうに忙しくてもともと更新頻度の少ないこのブログは、さらに過疎化していたのですが、今日は大晦日ということで軽く一年を振り返っておこうと思います。
今年はずっと20年くらい好きで聴き続けてきたくるりやつじあやのさん、高校時代からテレビで見ていたジェフ・バーグランドさん、年末にはパトリス・ルコントにまでインタビューができました。それから川尾朋子さんや小嶋商店のお二人、大森準平さんに青山洋子さん、京都の名だたる作家さんや職人さんとも、メディアにありがちな「単に取材しましたよ」ではなく、継続的にお会いしたりお話を聞いたりするなど関係が深まった一年でした。それから今年全国デビューを果たしたミュージシャンの松尾優さんのデビューCDに名前をクレジットしていただく光栄にも預かりました。また東映の高橋剣さんと京都ヒストリカ国際映画祭の衣川くるみさんとウェブの企画(京都ヒストリカ国際映画祭(日本語版) | ENJOY KYOTO)もやったりして、自分のなかでひとつ体系ができたなというか、新しい動きもなんとなくですけど始まっています。もっと立体的なこともできそうなお話もあったりします。
考えてみれば高校生のころ、自分は小説も書いて映画も作ってイベントも主宰して音楽も自分で選んで、そういうことが自分にはできるしできる場がないかなあと、ずっと考えていました。まあ若さにありがちな妄想なんですけど、でもその当時なかったものがいまは3つあります。それは先にも書いたようにたくさんの人たちと出会ったこと。それとコピーライターの仕事をやってきたなかで獲得した実力とそれに裏打ちされた実行力。それともうひとつはインターネットです。
ネットができてブログが隆盛を極めたころ、個人がメディアを持てるということで、なんとなく一瞬あっちこっち湧いたんですよね。でも個人のブログは見に来る人がかなり多数いないとメディア的には成り立たないし、そもそも個人がメディアをもっても継続的に有意義なことを発信し続けるには限界があります。結局は有名人や炎上商法がPVを稼いでおしまいみたいな感じもここ数年あった気がします。
でもそんななかでENJOY KYOTOという正真正銘のメディアを持てたことは、これまでのそういう意味でのインターネットとの付き合い方とは根本的に変わってくると思っていますし、高橋剣さんと京都ヒストリカ国際映画祭のコンテンツを作ったことで、その思いはいっそう強くなりました。しかもなんせ英語で発信できるわけですから、ワールドワイドウェブの機能をきちんと活かせるわけです。高校生の頃に妄想をいだいてたような、個人の思いつきを誰かといっしょになって世界中に発信すること、これが(少なくとも環境としては)正真正銘可能な状況がいま目の前にあるわけです。これはだれだってワクワクすることだと思うんです。
ということで、現地メディアとしての現物紙面もこれまで通りがんばっていくのですが、来年はウェブの方でもすこしずつではありますがいろいろと新しい試みをはじめていきたいなと思っています。来年はさらに外国人観光客の増加が見込まれていますし、それはそれとしてきちんとそうしたニーズにこたえるメディアとしての機能をこれまで以上にやっていくんですけど、ぼくはその先を見据えています。ぼくが「住みたくなる京都」をENJOY KYOTOのコンセプトワードに据えたことが新しい意味を落ち始めるフェーズがぼくにはもう見えています。2015年元旦配布の新年号であるIssue8は、その一端が感じられる紙面になっています。では来年もどうぞ皆様、よろしくお願いします。あ、よく言われるのですがいまもコピーライターの仕事もやっていますのでここに記しておきます。本業だけあってやはりそこから感じることも多いのでそっちの仕事も遠慮なくお申し付けください。ではでは、皆さま良いお年を!