ゴジマエ~後日読み返してもらいたいささやかなまえがき~

1971年生まれ。京都府出身・在住。コピーライター・プランナー。約15年間、大阪の広告制作会社勤務ののち2012年7月からフリーランスに。キャッチコピー一発から広告全体のプランニング・進行管理、企業の販促企画(企画書作成)まで、会社案内や学校案内・フリーペーパーなどの取材からライティングまで、幅広くやってます。 お仕事の依頼などはfuwa1q71@gmail.comまで。 

松尾優さんの全国デビューアルバム「Kiss and Fly」発売に寄せて

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今日はENJOY KYOTO Issue6で取材させていただいた松尾優さんの全国CDデビューアルバム「Kiss and Fly」の発売日でした。Twitterをちらちら眺めていると少なくないお店で売切が続出しているようです。こうやって自分が好きなアーティストの人気が着実に広がっていくのを見るのはとてもうれしいものですね。

*松尾優 OFFICIAL SITE*

Amazon.co.jp: Kiss and Fly: 音楽


じつはぼくが松尾優さんの歌をはじめて聴いたのはもう4年も前のことで、彼女がまだ大学生のころでした。それから時を経て、こうやって取材させてもらったり、なんとこういうかたちでレビューを書かせていただいたり、おまけに記念すべきデビューアルバムの歌詞カードのSpecial Thanksに名前を入れていただいたり。おめでとうであると同時に、ありがとうという感謝の気持ちでいっぱいです。


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フリーになって、京都に戻ってきて。ジャンル違いのものづくりの人たちと、いろんなかたちでコラボしたり現場に立ちあわせていただくことが多くなりました。それはぼくを勇気づけ、叱咤激励し、奮い立たせてくれます。そういう環境で仕事ができる、できているということにほんとうに感謝したいです。

くるりの岸田さんにお話を伺ったとき「カウンターって呼ばれるような音楽やカルチャーって東京とか大阪とかで生まれているんですよね」というようなことを仰っていた。「京都はというとそこまでいかない、ふつうっぽいけどちょっと違うっていう感じなのかな」。でもそれってぼくはとても大事なことなんじゃないかと思うんです。

若い時はとにかくとんがっていること、新しい音楽であることが最重要視されるんだけど、手あかにまみれる勇気というのかな、それなりに普遍性があってまっすぐでだいたいみんながあんまりキライにならない、じつはそういうものをつくる方がはるかに難しいし、息の長い愛され方をするんじゃないかって、40も過ぎるとねだんだんわかってくるんですよ。それで、そういうのがじつは京都の人は上手なんじゃないかってわりと思うんです。

松尾優さんの歌を聴いていると、そういうことを考えさせられます。ポピュラーミュージックの歴史を塗り替えるような斬新な音楽という感じのものでは決してないんだけれど、普遍的でまっすぐで、しっかりした技術に裏打ちされていてそれでいてポップでもある。気づいたら鼻歌で歌ってたりするような歌(CANとか鼻歌で歌えないもんなあ)。子どももいっしょに歌える歌(うちのひかるさんも歌ってる!)。たぶん年をとっても聴ける歌(モーターヘッドとかジューダスプリーストとかはさすがにもう聴かないしね)。

世の人びとは、いままで誰も知らなかった歴史を変えるような新しい発見ばっかり探してるようにメディアは流しているんだけど、本当はすごくふつうでちょっとだけいい、っていうようなものを求めているんじゃないかな。
もし、いいね!って思ったらいちど松尾優さんの歌を、できれば「ながら」じゃなくて、ただただ音楽を聴くための時間を1曲わずか3,4分でもいいからとってもらって、眼を閉じてじっくり聴いてみてください。それでぜひ一家に一枚、置いておいてもらえたらなあと思うのですよ。



教室の窓から_MV / 松尾優 - YouTube