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ゴジマエ~後日読み返してもらいたいささやかなまえがき~

1971年生まれ。京都府出身・在住。コピーライター・プランナー。約15年間、大阪の広告制作会社勤務ののち2012年7月からフリーランスに。キャッチコピー一発から広告全体のプランニング・進行管理、企業の販促企画(企画書作成)まで、会社案内や学校案内・フリーペーパーなどの取材からライティングまで、幅広くやってます。 お仕事の依頼などはfuwa1q71@gmail.comまで。 

ウクライナで民間機が撃墜され、イスラエルがガザに地上侵攻した日に、観光の役割について考えてみました。

「紛争」と「観光」はたぶん正反対の概念です。紛争は、異国や異人種、異文化や異教を敵視し、排除しようとすることで起こります。いっぽうで観光は異国や異人種、異文化や異教をリスペクトし、近づこうとする行為だからです。
先日、ENJOY KYOTOの取材で出会った女性はイスラエルの著述家でした。撮影モデルを手伝ってくれた男性はサウジ出身。他にも豪州、英国、フランス、南アフリカ、韓国、モンゴル、いろんな国の人が、いろんなかたちで製作に関わってくれています。そして彼らは「日本文化へのリスペクト」という共通項でひとつになれるんです。
異国・異文化における「違い」「驚き」「発見」というのは観光「産業」としては重要なファクターなんだけど、ぼくは殊更に差異を強調するのではなく、むしろその差異の中から共通点を見出すことにむしろ価値を置いて記事を書いています。たとえば、代々家業の提灯職人親子から見える、その国固有の文化の継承の難しさと大切さ、という近代化していくうえでどの国にも見られる共通課題です。
そこには「グローバル化」というのは、世界がひとつの価値観で統一されることではなく、各国や地域固有の文化や産業が、むしろその違いによって共通の美点や課題を見出し、互いにリスペクトしながらユナイトしていくことであるべきだ、というぼくなりの信念があるからなんです。
そもそも、朝起きて、食べて、笑って、泣いて、歌って、夜眠る。市民の生活自体は、そんなに大きく変わらないのだから、宗教や文化や哲学に対立があっても、市民一人一人の喜びは、きっと分かち合えるはずだとぼくは愚直に思っています。
他者や他文化へのリスペクトを持つことが平和の近道になるとしたら、外国人向け観光メディアを通じて何かできないか。もちろん無謀な問いであるし、結論や明確な答えなんて出ないけど、それでもとにかく考え続けることが大事なんだといまは思います。
以上が、ウクライナで民間機が撃墜され、イスラエルガザ地区に侵攻した日に、メディアを持つ人間のはしくれとして、外国人観光の現場でものを考える人間のはしくれとして、世界の隅っこで自分なりに考えてみたことでした。誰かを非難するより、自分に何ができるかを考えることの方が、大事なんじゃないかな。おわり。