和菓子店 青洋さんに伺って
取材と撮影で、青山洋子さんの工房でありお店でもある
青洋さん(Petit Homepage Service)にお邪魔してきました。
じつはここでもうサラッと書いちゃうんですけど
青山さんにはENJOY KYOTOの次号で紹介するための
「ENJOY KYOTOオリジナル和菓子」の制作を依頼していまして、
そんなこともあって伺いました。
オリジナル和菓子については、また春になったら誌面やウェブで
ご紹介できると思いますので、お楽しみに。
青山さんの工房では毎月3日間だけ直接販売をされていまして、
取材の間にも、すぐご近所の奥様やご友人らしき女性、
「今月のはどんなのやろ?と楽しみにしてた」っていう常連さん、
さらには、ちょっと和菓子には一家言ありそうなおば様まで、
じつにたくさんの方がいらしてました。
で、今月のお菓子の中からぼくが買って帰った一例をご紹介します。
「雪あそび」。ぼくは一応ネーミングに関してはプロなんですけど
青洋さんのお菓子のネーミングがいいんです。じつに。
ストレートに「雪だるま」じゃないところがホントいいんですよね。
名前は「大寒のころ」。ふわふわのラビットファーを模した
かわいいお菓子。つくね芋きんとんの味がしっかり。
その名も「作戦会議」。三色の鬼が薄く描かれていて、
そう聞くとほら、もう昔話に出てくる鬼たちが悪だくみ
してるユーモラスな場面が目に浮かんできますよね。
で、ぼくはこの最後のオーロラを模した「北欧の夜」に
とりわけ惹かれたんですね。シンプルなんだけどすごく
印象的。ネーミングもやはりダイレクトに「オーロラ」
じゃないとこがいいんですよ。
そんなわけでいろいろとお話伺っていてあらためて思ったのは
和菓子というのは、そのデザインとネーミングの妙味で
バックグラウンドや物語、風景がパッと広がる楽しみがありますよね。
こういうちょっと食べるものにたっぷり遊びごころを持たせちゃう
っていうのはほんとに日本らしいなあと思いますし
それが「お菓子」っていうのがいいんですよ。
あと、なんとなくいまって「かわいい!」「おいしい!」っていう、
本能の第一声みたいな感覚ばかりが取りざたされがちですけど
やっぱり、できるだけそういう背景なんかもわかったほうが
断然おもしろいんじゃないかなーって思いますし、
とくに外国の人にですね、和菓子の文化を伝えるには
そういったことを入り口にしてもらえたら、とも思ってもいるんです。
たとえば外国の友だちを家に迎えたとして、そこで和菓子を出したとして
「かわいいよねー」「おいしいよねー」でパッと共感するだけじゃなく
「じつはこれはね。。。」ってそのお菓子にある背景なんかも話しあえた方が
きっと会話も広がるし、ぜったいもっと楽しいはずなんですよ。
かといってあんまり教養っぽくなっちゃうと違うなーと思うんです。
そのあたりもね、やっぱりお菓子だから、いいんですよ。
変な言い方だけど、教養をもっとカジュアルに。
そこをENJOY KYOTOは誌面でやっていきたいと思っています。