ゴジマエ~後日読み返してもらいたいささやかなまえがき~

1971年生まれ。京都府出身・在住。コピーライター・プランナー。約15年間、大阪の広告制作会社勤務ののち2012年7月からフリーランスに。キャッチコピー一発から広告全体のプランニング・進行管理、企業の販促企画(企画書作成)まで、会社案内や学校案内・フリーペーパーなどの取材からライティングまで、幅広くやってます。 お仕事の依頼などはfuwa1q71@gmail.comまで。 

失われたケータイを取り巻くさまざまな人々と不思議な四日間。

お久しぶりです。おかげさまでずいぶん仕事が忙しくなんと一か月も放置してました。なので、ほんとはフリーになって最初の1か月、こんな感じでねーとか書くべきなんだろけども、ひっさしぶりにようやく更新したと思ったら、先週末にケータイ電話をタクシーに忘れてちょっとしたドタバタ事件に巻き込まれた、というしょうもないお話。すんません。

顛末はこう。馴染みの店に飲みに行った。店主は友人で客も顔見知りばかり。リラックスしてじつにいい感じに呑んで、あんまし酔わない自分が久々だったせいか、まあ歩く足取りがちょっとふらつく程度には酔った。で、明け方もまあ3時。もちタクシーっしょ。で、乗る。乗った。ケータイ取り出す。へえどれどれまた迷惑メールきてんなー。フェイズブックはっと、コメント入ってるじゃんよ・・・ってとこで、寝た。といっても家までなんでものの5分。運ちゃん「お客さんつきましたよ」。おうよわかってるよ起きてるよいくらだよ。で、支払った1200円きっちり。覚えてる。あたぼうよ。あたしゃね、酔ってませんよ。酒は飲んでも飲まれるなってね。

で、エレベーター乗る。鍵開ける。家。真っ暗。嫁と子どもは実家だバカヤロー。電気つける。ズボン脱ぐ。おっと脱ぐ前にポケットの財布出す。鍵出す。で、ケータイ・・・ない。やっちまった。すぐに「いえでん」からかけてみる。出ない。あたりまえでしょマナーモードのバイブなし。それが大人のマナー。とか言ってる場合じゃない。でも呑んでるんでもうしんどいし頭回らない。つか頭痛い。で、ご就寝。え?寝るのオレ?止めないの?止めないと悪用されんじゃね?大丈夫?とか言ってる隙もなくZZZ。で、朝。いまさらauに電話。とりあえず回線止める。

ツイッターにちょろっと書き込むとやさしきお方が「タクシー忘れ物センターなるものがある」と教えてくれた。さすが現代。もつべきものはテクノロジー。手塚治虫バンサイ!とか言いながらかけてみた。「本日は定休日です」。冷ややかで乾いた女性の録音テープの音が繰り返し再生される。ためしに13回まで聞いてみたけどやっぱり録音テープのままだった。ま、そりゃそうだろう。諦めて週明けにかけなおすことにして、auショップに行き代替機を借りることに。ショップのお姉さんは親身に心配してくれて、へこんでるオレにしてみれば女神みたいに見えた。え?スマイル0円とか書いてないよね。てことは掛け値なしに本気の心配なんだってばさ。サービススマイルじゃないってこと。あれこれってもしかして恋に落ちるパターン?どーするどーするライフカード。とりあえず代替機も借りれたしおまけにかわいこちゃんに心配してもらったんだし良しとするかーとか言いながらスーパーで豚肉とキャベツとライムを買って、酒屋でビールを買う。そんでラムも。

で、週が明けた。早速タクシーセンターに電話。するとおとっつぁん「センターではお客さまの特徴のお電話のお届けは聞いてないですね」。ガックシ。万事休す。肩落とすオレに「とりあえず全タクシー会社にファックスで問い合わせてみるので2,3日中に見つかれば連絡する」とauショップのお姉さんとはちがってちょいめんどくさそうな声で告げた。え、ファックス?いまどき?FUCK!とかしょうもないこと思いながら打ち合わせに出かける。大阪へ。で、打ち合わせ中に見知らぬ番号から電話。出るとセンターのファックスマン。「お客さまの電話に似た電話が〇〇交番に届けられてる」との内容。はや!やり!ラッキー!早速電話した。交番に電話って、はじめてかもドキドキ。おまわりさんよろしくねー。あれ出ない。間違ったかな。もっかいかける。やっぱ出ない。うーんとりあえず京都戻ってからもっかい電話するか。さて電車に揺られること1時間。ゲリラ豪雨の気配を感じながらふたたびトライ。カモンポリスマーン!出ない。しかも転送されて「近くにおりません」と冷ややかで乾いたこんどはおっさんの録音テープ。え、マジ。てことはいま交番お留守なの?拳銃とか置いてないの?わくわく。とかゆってる場合じゃないな。とりあえず仕事もあるしまた明日電話しよ。思い切って交番おしかけてみっか、な行動派なオレ様じゃなくてよかった。

で、今日午前にふたたび交番にかける。したら「〇〇警察署にあんだわ。んだども取りにいったとき正式な書類つくるのに紛失届だしてくれんといかんっぺ(っぺとかはもちろん言ってない。でもいいそうな感じの朴訥なおじさんだった)」とのことだったので「マジ?なんで見つかって取りに行くのに紛失届出さなあかんねん」とか思いながら〇〇警察署にかけた、したら「auにかけて受理番号を確認してからかけなおせ」とか言われてアレ?これってもしかして噂のたらい回し?やめてやめて。タライなんかいまどき誰もつかってないんだからとか思いながらauに電話して受理番号を聞いてもっぺんかけなおした。ようやく「じゃあ取りに来て」ということになって取りに行った。となりの区なのでまあ遠くはないけど近くでもない。でも行った。行ったら手続きは超スムーズ。署のお姉さんもやさしかったし紛失届を出しなおすというアホな役所手続きも「不要ですよ」とにこやかに教えてくれた。まあそりゃそうだろうな、とか思いながら署を出た。京都ナントカ殺人事件のエンディングみたいに誰も迎えには来てくれてなかった。もちろん。これはドラマではないしそもそも犯罪おかしたわけでもないのだよワトソン君。で、そのまま代替機借りてたショップへ行き代替機を返しに。またあのお姉さんが対応してくれた。やっぱり笑顔が素敵でどうせだからお姉さんのケータイ番号教えてくれませんか?とか言えたら映画みたいでよかったんだけどももちろんそんなこともなく手続き終了。めでたしめでたしというお話。

でも失くして4日、見つかってから手続きやらなんやら含めてまる1日で手元に戻るって、やっぱ日本の警察とか企業のカスタマーサポートとか優秀なんだなあ。これがイタリアとかだったらもう捜すとかいう選択肢なんてはなっからなくて、すぐに素敵なお姉さんのショップで買い換えてるんだろうなあ。そんでもってそのままディナーに誘ってるんだろうなあ。そっかー。それも悪くないなあ。