ゴジマエ~後日読み返してもらいたいささやかなまえがき~

1971年生まれ。京都府出身・在住。コピーライター・プランナー。約15年間、大阪の広告制作会社勤務ののち2012年7月からフリーランスに。キャッチコピー一発から広告全体のプランニング・進行管理、企業の販促企画(企画書作成)まで、会社案内や学校案内・フリーペーパーなどの取材からライティングまで、幅広くやってます。 お仕事の依頼などはfuwa1q71@gmail.comまで。 

自画像を疑う

先週末の金曜日、サッカー日本代表がヨルダン相手にスカ勝ちしてるさなかに、チームレフトハンドル(http://lefthandle.com/)代表の六藤圭介さんとお会いしました。ぼくが独立するということで声をかけていただいて、まあいってみりゃ景気づけですね。木屋町の「あさくら」という素敵なお店で、冷やしトマトをあてにキリッと辛くておいしい日本酒を交わしながら、いろいろと話をしました。フリーになるということは、ある意味で会う人すべてがチームメイトであり、会合すべてが作戦会議だと思っているので、ぼくとしてはある意味で、最初の作戦会議という感じです。

六藤さんとは昨年夏に株式会社のぞみの藤田さん主催の京都メディア交流会で知り合ったのがきっかけ。その後いちど六藤さんが運営されているサイト「京都SWITCH」内の動画配信番組に、京都在住の小説家・寒竹泉美さんが出演される際、なぜか僕も呼ばれて(たぶん僕がtwitterFacebookで寒竹さんとつながっていると知ったからではないかと思うのですが)収録現場に伺って以来で、お会いするのは3回目。しかもまともに話すのは、ほとんど初めてでした。

基本的に謎の多い六藤さんの過去を僕が尋ねるという感じでトークは進んでいくのですが、ヨーロッパでの放浪の話やアメリカで働いていた際のさまざまな体験談は、破天荒でかなりおもしろかったです。このへんのオモロな話はご本人にお会いする機会があったら直接聞いたほうが絶対面白いのでここでは割愛します(えーっ!という声が聞こえてきそうですがもちろんムシしちゃいます)。

なかでもいちばんおもしろかったというか、いまの自分にとって興味深かったのは「個人でやってると当然収入とか波があるけど、昇り調子のときではなくて落ちてってる局面でいろいろ自分でもわけわかんないことになっていく」という、要約するとそういう内容の話です。

その話自体は、ぼくもかつて映画学校時代に大極貧生活を送っていて、そのころの経験からなんとなくいわゆる「貧すれば鈍する」みたいなことは想像がつくというのはあったのですが、そのなかで「あーなるほどなるほどこれはメモメモ」と思ったのは、

 

「いま理解しているつもりでいる自画像というのは、いざというとき、じつはまったくあてにならない」

 

ということです。

って、どういうことか?っていうとですね、たとえば本来的にいってぼくという人間はどちらかといえばけっこう慎重派で悲観的。いろいろうまく行かなくなると、案外「どかーん」と落ちてしまいがち。どっちかっていうとまあ、そっちタイプなんですね。だから仕事でなんかあってメンタル的に落ちてしまいそうになると、できるだけアッパーにアッパーに、だいじょぶだいじょぶっ、前向きに前向きにって、って自分にはっぱかけながら乗り越えてく感じ。ふだんいつもそうやってきたつもりなんです。でも、です。それはいま「だいじょぶな自分」による自己分析だってことを忘れてやしないかってことなんです。

ほんっとにダメんなったときって、平常時に自分が思ってるような自分では信じがた行動に出ることはままあるし、たとえば逆にだいじょぶだいじょぶって言いながら、そのダメになってる状況に目をつぶって、ほんとはかなり悲観的にならなきゃいけない状況なのに、自分の失敗を肯定したり自己正当化をしはじめたり、そういうモードになっちゃうこともある。で、それがけっこうヤバいんよ。みたいな話をしていて、ああそれはそうだなあと、思ったわけなんです。

ここが自分のダメなとこなんだよなーと自分でわかってるところってのは、案外そうなったときの対処法も経験則でできていたりするので、時間の経過とともにそれなりにクリアできるものなんですけど、自分はまさかこういうタイプではないと思いこんでいることを、ほんとにヤバいときってのは、じつはやってたりするし、でも当の本人はそのことに気付いてなくて深みにどんどんはまって傷口広げて、みたいなこと、わりにあるかもなあとあらためて気づいたんですね。

ツイッターなんか眺めてると、コミュニケーションと言いながら完全に自分に閉じてる人というのをたまに見るわけですけど、ああいうのはどこかで自分でもやってるんだろうなあと思っとかないといけないし、やはり他人から見た自分こそが本当の自分だよなってことを、あらためて思いました。