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ゴジマエ~後日読み返してもらいたいささやかなまえがき~

1971年生まれ。京都府出身・在住。コピーライター・プランナー。約15年間、大阪の広告制作会社勤務ののち2012年7月からフリーランスに。キャッチコピー一発から広告全体のプランニング・進行管理、企業の販促企画(企画書作成)まで、会社案内や学校案内・フリーペーパーなどの取材からライティングまで、幅広くやってます。 お仕事の依頼などはfuwa1q71@gmail.comまで。 

会社を辞めることにしました。

なんといっても14年勤めた会社を辞めるわけですから、それはもう理由はたったひとつこれっきり、っていうわけではもちろんありません。いろんなことが複合的に重なっているわけなんですね。

たとえば「もうグラフィックなんて落ち目じゃん」っていうのもそれはそう。それから「広告のキャッチコピーなんて誰も読んでないし、いまおもしろい広告コピーなんて見ないよね」っていうものまあ正解の部類ですかね。実際いまの時代いろんなところから叩かれやすいので企業はどうしても保守的というか、ちょっと踏み込もうとするといろんなところからストップがかかります。そんななかでコピーってほんとに必要なのかな?と思うことも現場ではなくはなかったです、はい。でもまあそんな単純な「飛び出せ青春!」みたいなことだけでも、もちろんないんですね。

たとえば3年前に子供が生まれて、去年の春に震災があって、その半年後に40歳になりました。そうした時間的サイクルのなかで、やっぱり自分はこれからどうやってこの時代をサバイブしていくのか?ということを必然的に考えるわけです。そんなときにたまたまある本を読み返していて忘れかけてたことを思い出したんです。

 

「やりたいことや欲しいものは、そう思ったその時に始めたり手に入れようと努力しないと必ずいつの間にか自分から消えてなくなる。」

 

村上龍の「ラブ&ポップ」という小説のなかの言葉です。これは自分がこの数年間のうちにぼんやりと考えていたことをシンプルに表した言葉だな、と直感的に思いました。ぼくはこれまでにもたとえば新しいことや、違うフィールドへのチャレンジの機会をなんとなくいろんな言い訳を自分にしながら、諦めることを許容してきたような気がします。もちろん、そのことでいまのほんのすこしばかり豊かな生活があるし、愛する家族と過ごす時間があるわけです。そのことは否定しません。

でも、いま世の中がいまずいぶんと様変わりしようとしています。それもものすごくすごいスピードで。そのことはおそらくほとんどの人が感じていると思います。なんたってもはや大きな会社で終身雇用をモデルにしたライフプランが「安定」だといえなくなっちゃっていること。それから個のちからが発揮しやすくなったし、社会もそれを求めていること。人々がいろんな媒介を通さずにダイレクトにつながったりやりとりしたりできるようになったこと。

こうした流れっていうのは、よくよく考えてみると、そしてひとつひとつ見ていくと、はじめから大学受験というコースからドロップアウトし、映画やるとか夢みたいなことやってきたぼくにとって、そうしてその夢破れてほとんど修行みたいなトレーニング期間を経て専門職でクリエイターな職業についた人間にとっては、むしろとってもポジティブな状況なんじゃないかと思うのです。「いまやらないでいつやるの?次に金星が太陽を通過する105年後まで待つつもり?」みたいな感じで、社会の側からぼくを呼ぶ声が聞こえたような気がしたのです(おねがいだから幻聴じゃないことをみんないっしょに祈って!)。

もちろん不安はあります。子どももまだ小さいですし。「会社辞めてる場合かよ」っていうツッコミは誰あろう僕自身が100万回くらい自分に対してやりました(ので、みなさん自重してください)。でも何度何度も自問自答し、奥さんともくり返し話し合って、決めました。やっぱり、ぼくは会社を辞めることにしました。

かつて矢野顕子さんが「もしも音楽で食べれなくなったらいつでもリアカーでもなんでも引いて子供を食べさせていく覚悟はありますよ」みたいなこと(正確には忘れたので多少違うかもですが)言っていましたが、まさにあの感じです。うちの奥さんはデザイナーなのでどうしても食えなければふたりでやればいいし、レジ打ちでも釘ひろいでも(釘ひろいってまだあるのか知らないけど)、なんでもその気になれば子どもたちを食わせていける。その覚悟さえできちゃえば、じつはどーってことない。そうしてそういうことをパートナーである奥さんからも言ってもらえたことが、最終的には決め手になりました。どんなことになっても、たとえば最悪いまの家を手放すことになっても、家族3人がそれなりに暮らせていけたら、どうだって楽しくやっていけるだろう。

そうです。そうなんです。「家族がいるからあきらめる」のではなく「家族がいたから踏み出せた」。すくなくともぼくにとっては、そういう決断になりました。

 

そういうわけで、7月から新しいスタートです。といっても、今日ただいまの時点で具体的に何するとか決まってません(えー!まじで!と先に言っておきます)。ま、いちおうフリーのライター&プランナーです。正確にはハイパーメディアフリーターですかね。しばらくは会社に属さず、会社も興さず、なんとなく、おそるおそる、一歩目を踏み出すつもりです。

なので「もうちょっと話を聞いてみたい!」とか「ちょっとこうゆうのいっしょにやんない?」とか「こんな企画あんねんけど手伝ってよ」とか「ハイパーディアフリーターってなに?」とか、そんな話があればぜひぜひお気軽にお声掛けください。時間だけはたーっぷりあるので。会社訪問的なこともしてみたいなと思っているので、ちょっとオフィスにおいでよ、みたいなお誘いも大歓迎です。

というわけで長くなりました。今日は6月6日のゾロ目で、金星が太陽の前を通過する日で、自分にとって目標のほぼ日の創刊記念日でもあるし(しかも14年前!)、ましてや友と引く「友引」でもあるので、オープンにする日を今日にした次第です。

と同時にある種の宣言として、いまさらブログをはじめてみました。タイトルは仮です。たぶん変えるかもです。「まえがき」というのは残したいです。企画ってまえがきなんですよね。いまの本にはあんましまえがきってないですけど、ぼくはまえがきが好きなんですよ。あのなにかが始まる感じ。このブログは、なにかを始めたい人による、何かをはじめようとするための「まえがき」として、書き連ねて行こうと思っています。